ユニバーサル創業の岡田氏、家族を「提訴」  突然の解任に激怒、「お家騒動」は泥沼化へ

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また、家族に対する訴訟を起こしたのは、裁判をきっかけに長男とも会って話し合う機会を設けたいためとの動機を明らかにした。

同氏によれば、長男の知裕氏とは約2年会っておらず、「住所を探している。逃げまくっているので(所在が)分からない」うえ、裕実氏とも連絡が取れないという。和生氏は「家族は話し合ってきちんと結束しないと(いけない)」と述べ、「(長男らと)話をして和解を目指す」と裁判の目的を説明した。

和生氏はユニバーサル株主総会に出席するため会場のある東京都内のホテルに出向いたが、入場を拒否された。ロイターとのインタビューはその後、同ホテルで行われた。

ロイターは長男の知裕氏、長女の裕実氏にコメントを求めたが得られていない。妻の幸子氏にも連絡を試みたが現時点で返信はない。ユニバーサルエンターテインメントはメールで、コメントする立場にないと回答した。

香港子会社への貸付、「問題ない」

和生氏解任後の6月8日、ユニバーサルは香港の子会社に行われた約20億円の貸付けが社内で必要とされる手続きを経ておらず、岡田氏個人の利得を図った疑いがあるとして、詳細を調べる特別調査委員会を設置したと発表した。

この問題について、和生氏はインタビューで、20億円はカジノで大金を賭ける顧客の紹介などをするジャンケット業務を拡大するために会社から受けた融資であり、返済期日は11月になっているとし、問題はないと説明した。

さらに、そうした送金手続きの詳細を担当した責任者、当時の管理本部長だった根岸良直氏の名前をあげ、同氏の上司としてユニバーサル現社長の富士本淳社長にも言及。同社長について、「ガバナンス違反と言うならば、富士本社長がガバナンス違反」と批判した。

ユニバーサルは和生氏の発言について、「特別調査委の調査報告書を受領次第、速やかに開示する」とメールでコメントした。

(江本恵美、ネイサン・レイン、取材協力:ウィリアム・ホー)

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