自民党に漂い始めた、「都議選1989年の悪夢」

28年前も「首相隠し」で都議選に惨敗した

このように自民党にとってまさに正念場といえる選挙期間に、総裁が理由なく自宅に引きこもっていいはずはない。もっとも前回(2013年)の都議選でも、告示日の6月14日に安倍首相は応援演説をしていないが、これは公務に専念していたためだ。さらに15日からはポーランドとイギリスおよびアイルランドへの外遊日程が入っていた。中でも最も重要だったのは、北アイルランドのロックアーンで行われたG8サミットへの出席だった。

それでも安倍首相は外遊から帰国した6月20日、千代田区内で内田茂氏の応援演説を行っている。

「内田さんにはどうしても再び東京の真ん中で活躍していただかなくてはいけない、その思いで街頭に駆け付けさせていただいた」

安倍首相は雨の中、疲れた様子も見せずに観衆に自民党への支持を力強く訴えた。

ただこの時は自民党に強い追い風が吹いていた。しかし今回は自民党にとって逆風といえる厳しい選挙。にもかかわらず、首相の姿が見えないのはどうしてなのか。

【26日16時追記】本記事掲出後、安倍首相の遊説予定が明らかになったので追記します(26日18時30分〜文京区駒本小学校にて)

1989年にも同じようなことがあった

このような安倍首相の現状だが、これと重なって見えるのは1989年6月3日から8月10日まで首相を務めた故・宇野宗佑氏だ。この年の夏も東京都議選が行われており、6月23日告示・7月2日投票と、くしくも今回の都議選と日程がまったく同じである。

宇野首相は就任早々に、女性スキャンダルが発覚した。また消費税問題やリクルート事件などの影響で、内閣発足当初から支持率は決して高いとはいえなかった。

そうした不人気ぶりが足かせとなって、宇野首相への応援依頼がまったく来なかった。宇野首相は都議選の期間中はどこにも行かず、自民党総裁室にこもってひとり孤独に耐えていたという。

安倍首相の場合、足かせとなっているのは加計学園問題といえる。

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