富士ゼロックス、「不適切会計」で会長引責  「富士フイルムへの情報伝達が機能せず」

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 6月12日、富士フイルムホールディングス は、子会社富士ゼロックスのニュージーランドとオーストラリアの販売子会社で、不適切な会計処理が行われたことにより、2010年度から15年度までの6年間の過年度修正額が281億円に上ると発表した。都内で昨年6月撮影(2017年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 12日 ロイター] - 富士フイルムホールディングス (HD)<4901.T>は12日、子会社富士ゼロックスのニュージーランド(NZ)とオーストラリアの販売子会社で不適切な会計処理が行われたことにより、2010年度から15年度までの6年間の過年度修正額が281億円に上ると発表した。

富士ゼロックスの山本忠人会長は今月22日付で退任し、富士フイルムHDの古森重隆会長が富士ゼロックス会長を兼任する。

富士フイルムHDの助野健児社長は12日に東証で会見し、「ステークホルダーに心配かけたことおわびする」と陳謝。「富士ゼロックス内部の情報伝達の仕組みと、富士ゼロックスから富士フイルムHDへ情報伝達の仕組みがうまく機能していなかった」と述べた。

今回の不適切な会計処理は、事務機器販売と保守サービスの売り上げ計上や料金回収に関するものだ。

一定の要件を満たした顧客向けの販売で、機器相当の売り上げを初年度に計上する契約に基づく会計処理を、NZの販社では要件を満たさない顧客向けにも適用していたという。

その結果、「コピー量が契約時のターゲットに届かないなどの理由で債権が回収できない取引が多数発生し、常態化していた」(助野社長)という。

その後、4月に設置した第三者委員会の調査により、豪州子会社でも「NZと類似した事象が確認された」(同)としている。NZと豪州以外でこうした不適切会計の存在について助野氏は「ないと思う」と述べた。

今回の責任として、富士ゼロックスでは山本会長のほか、吉田晴彦副社長ら役員5人が退任する。栗原博社長は留任し、報酬20%カットを3カ月間と賞与30%をカットする。栗原氏の留任について助野氏は、「事業を停滞させないため」などと説明した。

富士フイルムHDでは、古森会長と助野社長が報酬10%を3カ月間返上する。

(浜田健太郎 編集:田中志保)

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