「ホンダらしさ」は自動運転でも体現できるか 2025年に一般道での自動運転実現を目指す

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昨年12月にホンダは、米グーグルを傘下に持つ持株会社アルファベットの自動運転開発子会社ウェイモとの協業検討を始めている。「自動運転でカギとなるのが人工知能(AI)」(自動運転開発を担う統合制御開発室の杉本洋一上席研究員)であり、大学やスタートアップ企業との連携に加えて、ウェイモとの協業で開発を加速させたい考えだ。

一般道で自動運転を行うホンダの試作車(写真:ホンダ)

短期的には、今秋にフルモデルチェンジを予定している軽自動車「N‐BOX」など、すべての新型車で先進安全支援システム「ホンダセンシング」を標準装備していく。2020年には、高速道路でレベル2を実現し、その後、一般道にも自動運転の技術を拡大していく方針だ。

研究所の試験場では、ほかの車両や歩行者がいない環境で、セダン「アコード」をベースにした試作車による一般道での自動運転も体験した。高精度なGPSを必要とせず、一般的なナビ情報と3つの単眼カメラで周囲の状況を認識。かすれた車線も見逃さず、道路工事の跡を車線や停止線と見間違わないよう識別しながら、敷地内をスムーズに走行した。

EV開発専門の部署を設置

自動運転と並ぶ自動車業界のテーマが電動化だ。ホンダは2030年に4輪車販売の3分の2をハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)といった電動車にする目標を掲げている。

4輪R&DセンターでEV開発を担当する菱木克哉執行役員は「究極のエコカーが燃料電池車であることに変わりないが、ハイブリッド(HV)が一巡した今、これから10年はEVとPHVが開発の中心になる」と強調した。

ホンダが開発したEVの試作車。FCVやPHVと同じプラットフォームを活用している(写真:ホンダ)

世界中の自動車メーカーがEVの開発スピードを速めている中、今回ホンダは研究所内に「EV開発室」を昨年10月に新設したことも公表した。EV開発室では、モーターやバッテリー、車体と、EV車両1台分の開発を一貫して担う。研究所社長の松本宣之専務は、この組織の狙いを「EV専用組織ならではの動き方をするため」と説明する。

「EVとエンジン車は部品点数や生産の規模がまったく違うのに、放っておくとEVの開発部隊はエンジン車と同じスケジュールで開発したがる。組織をあえて分けることで、EVの開発スピードを上げていく」(松本専務)。

特に中国では市場導入までの速さを優先した開発を行う。世界に展開するモデルに先駆けて、2018年に中国専用のEVを発売するのも「中国専用EVとすることで開発を急がないといけない」(同)という意思があるからだ。

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