統合失調症の世界は幻覚や幻聴に溢れている イラストで描く18歳アーティストの思い

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「全て燃やしてしまえ」

フェナーさんのイラストに登場するハエは、フェナーさん自身が時々感じる「自分は価値がない、取るに足らない、うざい存在」という気持ちを象徴している。

「『全て燃やしてしまえ』と言っているハエの言葉は、時々耳にする幻聴です。私に火をつけろと告げます」

またクモは、幻覚を見るときに味わう「虫が肌に入り込んで出ていくような感覚」を表現している。

幻覚や幻聴は私には普通のこと

幻覚や幻聴のことを周りに話すと、大抵こんな反応が返ってくるそうだ。

「声が聞こえる、と伝えると戸惑ったような表情を浮かべます。その気持ちはわかる。だけど、私には普通のことなんです」

「私だけじゃありません、他にも同じ状況にいる人はたくさんいます。だから、私は隠さずに話しますし、隠さなきゃいけないとも思っていません。イラストは、それを伝える一つの方法です」

「私はあなたを囲む壁、あなたの土台。あなたを支えるためにいる」

フェナーさんはこれまで何度も自殺を考え、強迫観念から自傷行為を繰り返してきた。腕や足には、今でもその傷が残る。

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