東芝の17年3月期は9500億円の赤字、債務超過 監査手続き中で現時点での予想を公表

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 5月15日、東芝は、2017年3月期の連結業績見通しを発表した。監査手続は完了していないが、東証が決算期末から45日以内に決算を発表するよう要請していることを踏まえ、現時点で見通しを示すことが重要と判断した。写真は同社のロゴ。川崎で2月撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

[東京 15日 ロイター] - 東芝<6502.T>は15日、2017年3月期の連結業績見通しを発表した。監査手続は完了していないが、東証が期末から45日以内に決算を発表するよう要請していることを踏まえ、暫定数値を見通しとして公表することが重要と判断した。

綱川智社長が午後2時から記者会見して説明する。

2017年3月期の最終損益は9500億円の赤字を予想。米連邦破産法11条の適用を申請した米原子力子会社ウエスチングハウス関連の損失が足を引っ張った。この結果、3月末の株主資本はマイナス5400億円と債務超過に陥る見通し。

売上高は前年比5.5%減の4兆8700億円を予想。円高やパソコン・テレビ事業の縮小が響いた。

2018年3月期の最終損益は500億円の黒字転換を見込んでいる。ただし、予想数値にはメモリ事業の外部資本の導入やランディス・ギアの戦略的選択肢を織り込んでいない。

2018年3月期予想の前提となる為替レートは1ドル100円、1ユーロ110円。ドルが1円変動すると、売上高180億円、営業損益60億円の増減要因となる。

同社は予想数値について、監査手続中であり修正される可能性があるとしている。

東芝はメモリ事業の売却により債務超過を解消したい考えだが、メモリ事業の合弁相手である米ウエスタン・デジタル(WD)<WDC.O>は、東芝による一方的な事業売却は合弁契約に反しているとして国際仲裁裁判所に売却差し止めの仲裁を申し立てた。

仲裁判断の内容によっては、同事業の売却が難しくなり、東芝本体の再建計画が見直しを迫られる可能性もある。

(志田義寧 浜田健太郎)

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