ユナイテッド航空の被害男性、提訴の公算 鼻を骨折、歯も2本折る
[シカゴ 13日 ロイター] - 米シカゴでオーバーブッキング(過剰予約)となったユナイテッド航空機から男性客が引きずり降ろされた問題で、被害者のデイビッド・ダオ氏(69)の弁護人は13日に行った記者会見で、ダオ氏がユナイテッド航空を提訴する公算が大きいことを明らかにした。
弁護人のトーマス・デメトリオ氏によると、ダオ氏は、昨夜入院先のシカゴの病院から退院。機内から引きずり降ろされた際に鼻を骨折したほか、前歯2本を折り、脳震とうを起こしており、今後は再建手術を受ける必要があるという。
デメトリオ氏は「恐らく訴訟に発展するだろう」と語り、法律では理不尽な力で乗客を航空機から降ろしてはならないとされていると説明した。
会見に同席したダオ氏の娘クリスタル・ダオ・ペッパーさんは、家族は「衝撃を受け、腹立たしく感じている」と話した。
別の弁護人スティーブン・ゴーラン氏によると、これまでにダオ氏の家族および弁護人はユナイテッド側から連絡を受けいてない。
ユナイテッドは声明で、ムニョス最高経営責任者(CEO)や会社側は「心からの深い謝罪を伝えるためダオ氏に何度も電話をかけた」としている。和解を模索する可能性など、提訴された場合の対応は明らかにしていない。
弁護人は前日、イリノイ州クック郡の裁判所に、問題となったユナイテッド航空3411便の監視カメラの映像や操縦室の音声記録、搭乗旅客と乗務員のリストなどの証拠を保存するようユナイテッドとオヘア国際空港を運営するシカゴ市に命じるよう要請する申し立てを行っている。
ダオ氏を引きずり降ろした3人はシカゴ市航空局の職員。
同航空局トップのジンジャー・エバンズ氏は市議会の航空委員会で、本件について調査を進めており、職員教育の見直しを行っていると表明した。
会合に出席したユナイテッド関係者はあらためて謝罪し、現在進めている全ての関連規定の見直しを今月中に終える方針を示した。
ユナイテッドの株価は10日以降、約1%下落。13日は1.2%安で引けた。
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