米国株が小幅続伸、2月の雇用統計は好調 3月内の利上げ観測が一段と強まる

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3月10日、米国株式市場は小幅続伸。写真は2014年6月、ニューヨーク証券取引所前で撮影(2017年 ロイター/Carlo Allegri)

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場は小幅続伸。朝方発表された米雇用統計は米経済が勢いに乗っていることを示し、米連邦準備理事会(FRB)が来週利上げに動くとの見方を支えた。

2月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が23万5000人増と、市場予想の19万人増を上回ったことを手がかりに、市場ではFRBが92%の確率で14ー15日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを実施するとの見方が織り込まれた。雇用統計発表前は85%となっていた。

この日は幅広い銘柄に買いが入ったものの、このところ利上げ観測を追い風に上昇していたS&P金融株<.SPSY>は横ばい。ストラテジストは月内の利上げ観測がほぼ織り込み済みとなっていることが要因と指摘した。

プライベート・クライアント・リザーブ・オブ・USバンクのジェフリー・クラベッツ氏は「好調な雇用統計はポジティブな驚きで、底堅い労働情勢を裏付けた」としたうえで、「良好な結果となることは想定されており、反応は限定的だった」と語った。

公益株<.SPLRCU>は0.8%安。

病院株は総崩れ。米下院の歳入、エネルギー・商業の両委員会が9日、米医療保険制度改革(オバマケア)改廃法案を承認し、本会議での可決に向けた第一関門を突破したことを嫌気した。テネット・ヘルスケア<THC.N>は5.3%安。

ネットワーク機器メーカーのフィニサー<FNSR.O>は22.7%安。今四半期の業績見通しが失望を誘う内容となった。

バイオ医薬品大手アッヴィ<ABBV.N>は2.1%高。ゴールドマン・サックスがノートで医薬品セクターに関し明るい見方を示したことを好感した。

週足ではダウ工業株30種が0.5%、S&P総合500種が0.4%、ナスダック総合が0.2%それぞれ低下した。

騰落銘柄数は、ニューヨーク証券取引所では上げ銘柄が下げ銘柄を上回り、比率は2.04対1だった。ナスダックも1.39対1で上げが下げを上回った。

米取引所の合算出来高は約69億株で、直近20営業日の平均の70億株近辺だった。

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