米失業保険申請24.3万件、市場予想上回る 前週は1973年3月以来、約44年ぶりの低水準
[ワシントン 9日 ロイター] - 米労働省が9日に発表した4日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比2万件増の24万3000件だった。市場予想の23万5000件より多かった。
前週の数字は当初発表の22万3000件のままで改定はなかった。1973年3月以来、約44年ぶりの低水準だった。
RDQエコノミクス(ニューヨーク)の首席エコノミスト、ジョン・ライディング氏は「非自発的離職者が増加する兆候はみられていない。これは労働市場のひっ迫を示すものと捉えられる」と述べた。
新規申請件数は30万件を切ると労働市場は力強いとされる。件数は105週連続でこの水準を下回っており、その期間は1970年に記録して以来の長さとなる。当時は労働市場が今よりずっと小さかった。
週ごとの変動をならし情勢をより正確に反映するとされる4週移動平均は、前週比2250件増の23万6500件だった。
2週以上手当てを受けている失業保険受給者総数は、2月25日までの週で6000件減の205万8000件。4週移動平均は5250件減の206万5500件だった。
今回の失業保険申請件数は、10日に発表される2月の雇用統計と調査期間が重なっておらず関連性はない。2月の新規失業保険申請件数は減少しており、雇用統計では力強い就業者数の増加が予想される。
一方、9日に雇用コンサルティング会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが発表した2月の米企業の人員削減数は、前月比19%減の3万6957人だった。業界別では小売業が引き続き人員削減の大半を占めた。店頭からオンラインへと販売の場が移行していることを反映している。
ロイターが実施したエコノミスト対象の調査によると、2月の雇用統計で非農業部門の就業者数は前月比19万人の増加が見込まれている。1月の実績は22万7000人の増加だった。2月の失業率は0.1%ポイント低下の4.7%と予想されている。
新規就業者数は予想を上回る伸びとなる可能性がある。8日に企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが発表した2月の全米雇用報告によると、民間部門の雇用者数は29万8000人増加し、約1年ぶりの大きな伸びとなった。
労働市場は最大雇用状態か、それに近い状態にあるとされ、職種に必要な技能を有する人材を見つけることが難しくなっているとする雇用主が増えている。労働市場の引き締まりと物価の上昇を背景に米連邦準備理事会(FRB)は来週にも利上げを決める可能性がある。
FRBのイエレン議長は3日、FRBが3月14-15日の会合で利上げするだろうとの見方を示唆した。FRBは昨年12月に利上げしており、17年は3回の利上げを想定している。
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