外国人が気付いた「日本のドラマ」3つの特徴 日本ドラマオタクの外国人妻が分析

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

余談ですが、不思議だなと思うのは、日本人が一日中食べ物のことを考えているということです。四六時中という訳ではないと思いますが、たまに「今日は朝からラーメンの気分!」などというシーンを見ると、あまりにギリシャ人にはない行動なので驚きます。日本人には計画性があるということかもしれません。ギリシャ人だったら、行きたい店があったとしても、その店が混んでいれば隣の店に入ることも多いです。店の前に行列をつくるなんて考えられません。

もうひとつ余談ですが、私が大好きな映画『男はつらいよ』にも日本人らしいシーンが出てきます。それは、博さんが手をケガしたときに、タコ社長がおすしを持って謝りにくる場面です。ギリシャ人の社長だったら「自分は悪くない。ケガをしたのは君の不注意だ」と言うところ、タコ社長は自分の責任を潔く認め、お詫びの品まで持ってくる。私は思わずこのシーンで涙してしまいました。でも、普通のギリシャ人には理解できないことだと思います。

ギリシャ人をやきもきさせる「じれったさ」

さて、こんな日本ドラマが大好きな私にも、1つだけ日本のドラマに不満があります。それは、スキンシップが少ないことです。ギリシャのドラマでは、最初のエピソードからキスシーンはありますし、平均すると1話で2回くらいキスシーンがあります。そういうシーンが出てくるとすぐにチャンネルを変える私の両親でさえ、日本のドラマを見ているときは「いつになったらキスするの!?」「キスはまだなの?」と不満げです。私もやっとキスシーンにたどり着いたときは「やったー!」と思わず飛び上がります。

私の中のイメージでは、9話目でやっと手をつないで、10話目でキスして最終回というのが王道の展開で、「えっ? これで終わり?」とツッコミたくなります。ギリシャ人からすると、キスシーンの多い「失恋ショコラティエ」くらいがちょうどいいかなと思いますが、それも日本ドラマの特徴。私のようなギリシャ人にとっては、日本人のもつ奥ゆかしさを学ぶよい教材となっているのです。

――と、ここまで私の「日本ドラマ愛」を存分に語りましたが、当然、ギリシャで私ほど日本のドラマや映画を見ている人はそういません。ただ、ギリシャでは、日本の古い番組をテレビで放送していることもあり、そこから日本の情報を得ている人も少なからずいます。ちなみに、ギリシャでは「風雲!たけし城」が繰り返し放送されており、ギリシャにはビートたけしさんがいまだにすごく若いと思っている人が結構いるのです……。

アナスタシア・新井・カチャントニ 通訳、翻訳家、ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

アナスタシア・アライ・カチャントニ / Anastasia Arai Katsantoni

ギリシャ生まれ。ギリシャの大学の専攻は物理だったが日本に興味を持ち、現在は通訳、翻訳家、コーディネーター、ライターとして活動。日本のポップカルチャーから伝統文化、料理まで、幅広い分野を研究。また、ギリシャで剣道を教える日本人の夫を手伝う傍ら、自らもギリシャ人に日本語を教え、日本の文化を伝えるべく奮闘中。現在はアテネ近郊に在住。ブログはこちら

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事