マックは、なぜ「コーヒー刷新」を決めたのか

エチオピア産豆を追加、価格据え置きで勝負

コンビニコーヒーに対抗してリニューアル、業績も回復傾向にある(記者撮影)

「豆の焙煎のプロセスを一から見直した。コーヒー好きのお客様なら必ず満足してもらえると確信している」。日本マクドナルドホールディングスのサラ・カサノバ社長は、1月12日に発表したコーヒーのリニューアルについて自信たっぷりに語った。

「メニューは私たちの中核」というカサノバ社長が2017年のテーマとして掲げたのは「おいしさ向上宣言」。定番商品の改善・強化に取り組んでいくというのだ。

その第1弾となったのが「プレミアムローストコーヒー(ホット)」だ。同商品は2008年に発売。それまでより高品質な豆を使用し、全店に専用のコーヒーマシンを導入した。風味にこだわった100円コーヒーの先駆けとして話題となった。発売初年度は前年比3割増の2億6000万杯を売り上げた。

エチオピア産の豆を追加

その後、2012年にリニューアルを図ったが、2013年にセブンイレブンが参入するなど、コンビニコーヒーが台頭し競争が激化。「客の嗜好も変化した」(小室武史・ナショナルマーケティング部上席部長)ことから、今回2度目のリニューアルを行い、テコ入れを図る。

新コーヒーの最大の特徴は、従来から使用していたブラジル、コロンビア、グァテマラ産の豆に、フルーティな香りと酸味が特徴のエチオピア産の豆を加えたことだ。Sサイズで100円、Mサイズ150円という価格は据え置く。1月16日から5日間、朝7~10時の間はSサイズコーヒーを無料で提供、カップも白を基調にしたものに変えて刷新をアピールする。

全体の業績もこのところ回復基調にある。2016年はすべての月で既存店の客単価、客数が前年同月を超過。2016年通期(1~12月)累計で既存店売上高は20%増となった。特に伸びを牽引したのは高単価の期間限定商品だ。2月の「名前募集バーガー」を皮切りに、矢継ぎ早に限定メニューを投入。4月に発売した「グランドビッグマック」(520円)は、2010年発売の「テキサスバーガー」以来、一時販売数量を制限するほどの大ヒットになった。

さらに7月には「ポケモンGO」と提携し、失われたブランドイメージと客の取り戻しに尽力した。カサノバ社長は「2016年はマクドナルドブランドを取り戻すべく努力をした。店舗に客は戻りつつある。2017年はこの回復を積み重ね、成長を重ねる年になる」と語る。

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