タクシーに「客5人」、無理やり乗車は違法か 何とか座れたとしても…
タクシーや自家用車に定められた「定員」の数をオーバーして乗ったことがありますか? 東京都内では、定員5人(客は4人、運転手1人)のタクシーが一般的。そんな、4人しか客を乗せられないタクシーに、「5人で無理やり乗ろうとする客がいて困っている」という相談が、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せられました。
投稿した男性は、タクシー運転手。無理やり乗り込もうとする客を断っても、客は引き下がらず、「近いから大丈夫だ」などと、かなり強い口調で強要されるといいます。
また別のQ&Aサイトには、親と神社にお参りに行くという人から「4人乗りの軽自動車に、大人4人と赤ちゃん(チャイルドシート付き)を乗せて走ったら違反でしょうか?」という質問が投稿されていました。
定員オーバーで車に乗ることは、どのような法的な問題があるのでしょうか。伊田真広弁護士に聞きました。
定員オーバー乗車、どんな問題がある?
定員を超えて客を乗せた場合、車両の運転者は、道路交通法の定員外乗車違反となり、交通違反点数制度上1点が付され、反則金も課されます。
たとえ、ご相談のケースのように客からの強要があっても、断りきれずに乗せた場合は、単純にタクシー運転手は定員外乗車違反となります。悪質な客に対しては「警察を呼びますよ」などと伝えて、乗車させないようにするしかありません。
ただし、客がかなり強い口調で要求したのであれば、客には威力業務妨害罪が成立する可能性があります。また、客がタクシーの運転手に定員外乗車違反を唆したということで、定員外乗車違反(道路交通法違反)教唆となる可能性もあります。