アップル、EUの一般裁判所に提訴する方針 アイルランド税優遇めぐる追徴課税で

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 12月19日、米アップルアイルランド法人への課税をめぐり、欧州連合(EU)が130億ユーロ(138億ドル)の追徴課税を命じた問題で、同社側が今週中にEUの一般裁判所に提訴する方針を示した。写真はサンフランシスコで6月撮影(2016年 ロイター/Stephen Lam)

[クパチーノ(米カリフォルニア州) 19日 ロイター] - 米アップル<AAPL.O>アイルランド法人への課税をめぐり、欧州連合(EU)が130億ユーロ(138億ドル)の追徴課税を命じた問題で、同社側が今週中にEUの一般裁判所に提訴する方針を示した。

EUの反トラスト当局は今年8月、アイルランドにあるアップルの欧州本社に対する課税優遇措置が違法な政府補助に当たると判断。欧州委員会のベステアー委員(競争政策担当)によると、アップルに適用された税率は、2014年時点で0.005%だったという。

これに対し、アップルの法務顧問であるブルース・シーウェル氏と最高財務責任者(CFO)のルカ・マエストリ氏はロイターのインタビューに、EU規制当局が企業関連法を無視し、意図的に最も厳しい罰則を科したとして、一般裁判所に提訴する考えを表明。

シーウェル氏は、アップルに罰則が科されたのは成功した企業だからだとし、「都合の良い標的にされた。なぜなら大きなニュースになるからだ」と訴えた。

欧州委がアイルランド当局から派遣された税務の専門家を相手にしなかったとして、裁判では欧州委が入念な調査を行っていなかったと主張する考えだという。

シーウェル氏はまた、欧州委は米国と他国の税制度の違いに起因する抜け穴を利用しているとし、トランプ次期政権が税制改革を実施することを望むと述べた。

一方、欧州委は追徴課税を命じる決定に至った経緯について詳細を公表した。

その一例として、アップルの税顧問とアイルランド歳入当局者が1990年に開いた会合で、アップルのアイルランド部門が税を支払う適切な利益水準について協議した点に言及。その中でアップルの顧問は上限として3000万─4000万ドルを提示したという。顧問はこの数字の科学的根拠はないと認めながらも、誠実的な提案として受け止められることを望んだとしている。

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