米株式市場、ダウとS&Pが最高値を大きく更新 「新政権は企業寄り」との見方が一段と強まる

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 12月8日、7日の米国株式市場は続伸。米大統領選でのトランプ氏勝利を受けた相場上昇が続き、ダウ工業株30種とS&P総合500種が過去最高値を更新した。NY証取で5日撮影(2016年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 7日 ロイター] - 7日の米国株式市場は続伸。米大統領選でのトランプ氏勝利を受けた相場上昇が続き、ダウ工業株30種とS&P総合500種が過去最高値を更新した。輸送株が買われたことも、相場の地合いを強めた。

主要3指数はいずれも上昇率が1%を超えて終了。米国株はトランプ氏の景気刺激策や法人税減税、規制緩和といった方針を好感し、大統領選後に上昇傾向が続いている。ブリン・モー・トラストのアーニー・セシリア最高投資責任者(CIO)は「新政権は企業寄りとの見方が続いているのだと思う」と述べた。

セクター別では、S&P総合500種の主要11業種指数のうち10業種が上昇。高配当銘柄とされる通信株指数<.SPLRCL>と不動産株指数<.SPLRCR>が大きく上がった。

パフォーマンス・トラスト・キャピタル・パートナーズのディレクター、ブライアン・バトル氏は「債券市場では長期ゾーンを中心に価格が上昇(利回りは低下)しており、高配当銘柄に追い風となっている」と話した。

また幅広い市場動向を示す指標として注目されているダウ・ジョーンズ輸送株平均<.DJT>は2.5%上昇して過去最高を更新した。

一方、トランプ次期大統領がタイム誌に「薬価を引き下げる」と発言したことを受け、バイオテクノロジー株と医薬品株は売られた。S&Pヘルスケア株指数<.SPXHC>は0.8%低下。ナスダック・バイオテクノロジー株指数<.NBI>は2.9%下げた。

市場では前日にもトランプ次期大統領の影響がみられた。トランプ氏は6日、新型の大統領専用機「エアフォースワン」にかかるコストを理由に航空機大手ボーイング<BA.N>への発注をキャンセルすべきとの見解を示し、ボーイング株が売られる場面があった。

アトランティック・トラスト・プライベート・ウエルス・マネジメントのデービッド・ドナベディアンCIOは「(次期大統領の)発言がファンダメンタルを凌駕し得るということが、この先、新たな現実になるのだと思う」と語った。

米取引所の合算出来高は約82億株で、直近20営業日の平均である80億株を上回った。騰落銘柄数は、ニューヨーク証券取引所では上げ銘柄が下げ銘柄を上回り、比率は3.31対1だった。ナスダックも1.80対1で上げ銘柄が下げ銘柄を上回った。

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