JR東海の攻勢をかわした「名鉄」の復活劇

赤字線の廃止と独占路線のテコ入れがカギ

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パノラマカー定期運行最終日、犬山遊園駅付近で後輩パノラマスーパーと交換。後方には、翌日に営業最終日を迎えるモノレールが見える

2005年4月1日には、岐阜600V線と呼ばれてレイルファンの注目の的だった岐阜市内線・田神線・揖斐線・美濃町線を全廃。名鉄の路線は1500V線と、犬山線犬山遊園駅-動物園駅間を結ぶモンキーパーク・モノレール線だけとなったが、日本初の跨座式だったそのモノレールも2008年12月28日に廃止した。ちなみに、その2日前となる12月26日は、名鉄を代表する前面展望車「パノラマカー」定期運行の最終日だった。この時期に、車両面でも続々と新時代に移行していたのだ。

さらに、ICカード乗車券“manaca”を採用して全線全駅に導入したものの、不採算区間である蒲郡線・吉良吉田駅~蒲郡駅間と、広見線・新可児駅~御嵩駅間の中間駅と終点の蒲郡駅・御嵩駅については導入を見合わせている。この対応として、吉良吉田駅と新可児駅には、manaca非対応区間との中間改札を設けている。この2区間は廃止対象であるものの、地元の存続意欲が高いため、地元と協議し支援を得ながらの運行を行っている。

不動産と交通が好業績を牽引

これらの対策をしてきた結果、バブル崩壊後に低迷していた名鉄の株価が、近年急回復している。

2000年以降で高値を記録したのは、中部国際空港が開港してミュースカイが走りはじめた2005年の年末、12月30日の455.00円だった。その後、じりじりと値を下げ、2008年のリーマンショック後に下落が加速。2011年6月17日に、最安値となる194.00円をつける。

翌2012年12月に第二次安倍内閣が発足すると、経済対策によって株価は右肩上がりになる。このときに名鉄の株価を牽引したのは、不動産事業だった。その不動産事業に限界が見え始めたタイミングで、交通事業が軌道に乗って株価の牽引役となり、2016年7月8日に最高値588.00円をつける。この不動産事業と交通事業の協業成果として、6期連続で純利益増加、12年ぶりに過去最高の純利益を更新して245億円とするとともに、24年ぶりの最高営業利益448億円を記録したのだ。

交通事業が好調になった要因は、日本一の製造業を要する沿線企業の業績が向上し、通勤利用が増えたこと、ビジットジャパン政策と円安で日本ブームが起きた事による訪日外国人の増加。さらに、米シェールガスに端を発する原油安による、経費減少効果の相乗効果だ。

このように順風満帆に見える名鉄に死角はないのか、次回、その検証を試みたい。 

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