渋谷駅は、なぜあんなに複雑になったのか

良くも悪くも「歴史の積み重ね」

駅街区開発計画では3棟の高層ビルが建ち並ぶことになる〈筆者撮影)

このうち、渋谷駅の東に隣接する「東棟」は、地上46階、地下7階、高さ約230mという本プロジェクト最大の高層ビルになる。

低層階は大規模商業施設、16階から上層はオフィスとし、ビルの屋上には約3000㎡の屋外展望施設が設けられる。展望施設は周囲をガラス張りにして、一部には階段状の高低差がつけられるといい、オープン後に話題の中心になりそうだ。

駅街区の地下から地上部にかけては、1階に駅の東西を結ぶ2カ所の自由通路、3階に宮益坂や道玄坂を結ぶスカイデッキを設置。これら二次元の動線に加え、エスカレーターやエレベーターで多層なフロアを三次元的に繋ぐ「アーバン・コア」を整備。地上1階のJR線改札口と、地下5階の東横線・副都心線、地下3階の田園都市線・半蔵門線との乗換が改善される。

これら低層階や広場のデザインは、世界を舞台に活躍する「隈研吾建築都市設計事務所」や「SANAA事務所」によって手がけられるといい、どんなデザインが用いられるか楽しみだ。

駅西側の「西棟」は地上13階、地下5階、高さ76m。「中央棟」は地上10階、地下2階、高さ61mでJRのホームを跨ぎ南北に長い建物となる。JR渋谷駅は埼京線のホームが現在の位置から北へ約350m移設され、山手線と並列になり乗換の不便が解消される。

また銀座線の駅は玉電ビル時代の狭隘なホームを離れ、東へ約130m移設。東口バスターミナルと都道305号線を渡る高架上に駅スペースを新設し、幅員12mの島式ホームで運用されるようになる。

新しい街へのワクワク感は・・・?

渋谷駅西口を望む路地の風景(筆者撮影)

工事の完成予定は、東棟が2020年。埼京線の移設も2020年。銀座線は一足早く2019年の使用開始を目指す。「西棟」「中央棟」は2027年の開業予定という。
再開発に着手されている他の4地区についてはここでは割愛するが、ビル建設、バスターミナル整備、渋谷川の再生と盛り沢山だ。

近未来に展開される新しい渋谷の駅と街、その完成した姿を目にする日が待ち遠しく、今から楽しみではあるが、筆者は今ひとつワクワク感が湧いてこない。なぜだろうか?再開発による都市の変化は、すでにこれまで幾度も体験しており、新鮮さが感じられないのかも知れない。

そう思いながら、道玄坂上から坂道を下ると、東急プラザ渋谷店が解体されていた。不意に現れた広々とした空間の手前には路地があり、流れてきた焼き鳥の煙が鼻をくすぐり、軒先に赤提灯が揺れる風景に温もりが感じられた。

これまで日本や世界の街を歩いて「居心地が良いなぁ」と感じたのは、こんな人間の目線レベルにある路地のような場所だ。再開発に求めるべきではなく、筋違いかも知れないが、更に次の時代の再開発には、こんな要素も期待してしまう。

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