34歳女性会計士は高年収ゆえに結婚を諦めた 東京カレンダー「新・婚活事情」<3>
「君がそんなに稼いでるとは思わなかった」「君みたいな人を幸せにできる自信がなくなってきた」
契約書に記載された私の年収を目にした彼は、みるみるうちに卑屈になってしまいました。
もちろん私は、収入の差なんて関係ない、私はあなたと一緒にいたい、と何度もフォローを試みました。しかし、私が慰めれば慰めるほど、私たちの関係はギクシャクしてしまったんです。
「仕事」というアイデンティティが、婚活の弊害になる
私たちは不安定な関係のまま、暫くグダグダと引っ越しの日程などを話し合いを続けていました。
しかし、とうとう入居日近くなると、「やっぱり、恵とは結婚を考えられない。ごめん」と、深々と涙ながらに頭を下げられてしまったんです。
泣きたいのはこっちだ、の典型的なパターンですよね。
彼とはもちろん破局しましたが、私は契約者になってしまったため、結局一人でその部屋に入居しました。実は今でもその部屋に一人で住んでいます。
この話を人に聞かせると、「強い女だね」とよく言われます。「強い女」という言葉の裏には「だから独身でも平気なんだね」という意味合いも込められているようです。
では、「弱い女」という選択肢は、一体どのようなものだったのでしょうか。彼と一緒に泣いて、賃貸契約を破棄して違約金を払ったり、収入の低い仕事に転職することが正解だったのでしょうか。私には、今でも分かりません。
しかし、昔から頑張って築いてきた、「仕事」という私のアイデンティティの一部が、恋愛関係や結婚には障害となるということは、よく分かりました。
最近、今さらですが「セックス・アンド・ザ・シティ」をよく観るんです。あのドラマの4人組は私よりずっと派手ですが、仕事がネックになり恋愛が上手く行かないシーンが多くて共感できます。
結局、頼れるのは、自分だけ。婚活は懲り懲りです。もうあんな傷は負いたくない。今後は自分なりの人生を楽しもうと思います。
それに、「SATC臭のする女はモテない」って、よく言われるじゃないですか。自覚はありませんでしたが、きっと私もその括りに入るのでしょうね。
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