34歳女性会計士は高年収ゆえに結婚を諦めた 東京カレンダー「新・婚活事情」<3>

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せっかく苦労して会計士の資格を取って、やっと仕事が様になってきたところで、専業主婦になるなんて想像がつかなくて。

お互いの両親に挨拶も済ませていたのに、彼との別れはとても冷静でした。「僕たちは、少しビジョンが違うね。別々の道は残念だけど、お互い幸せになろう」そんな話し合いをして、静かに別れました。

その約1年後に、彼は同じ会社の一般職の年下の女の子と結婚をして、その翌年に子供が産まれ、私は30歳になりました。

その時、ようやく私は「結婚は自然に出来るものではない」と、認識し始めたと思います。

結婚を見据えた交際をスタートし同棲を検討するが

私は素直に、同僚や友人に「結婚したい」と口に出すようにしました。そうすると、意外とみんな、世話を焼いてくれるんです。

出会いの機会はそれなりに多く、私は同僚から紹介された、2つ年上の建築家の男性と無事お付き合いをすることになりました。

彼もやはり、「普通」の人でした。休日はお互いの家に遊びに行き、公園を散歩したり、美術館を巡ったり。一緒に手料理を作るのも、私たちの楽しみの一つでした。付き合いは、とても順調だったんです。

お互い結婚を見据えての交際だったので、1カ月順調に過ごした後には、自然と同棲の話が出るようになりました。

私たちは二人で物件を探しました。今思えば、あの時が一番幸せだった。二人の生活スタイルを考えながら、部屋の間取りを検討したり、どんな家具を買い足そうか話し合う私たちは、まるで新婚のようだったと思います。

歯車が狂ったのは、いよいよ四谷に理想の物件が見つかり、入居を決めたときでした。彼の名義では、賃貸契約の審査が通らなかったのです。

建築家という職業は、実は年収が低いんですね。でも私は、彼の収入なんて一切気にしていませんでした。私だってそれなりの収入があるし、夫婦で家計を支え合うのは当然だと思っていたからです。

だから大して気にも留めずに、契約の名義を私に変えたんです。すると審査はすんなりと通りましたが、私たちの関係は一気に悪化しました。

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