高級化に舵、東急不が住宅ブランド再構築 第1弾は社長や医師が照準

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ブランズ四番町のモデルルーム

ただ、野村不動産の「プラウド」や東京建物の「ブリリア」といった競合他社のブランドに比べると、認知度は十分とは言えなかった。

新コンセプト第1弾のブランズ四番町(総戸数165戸、14年3月下旬引き渡し予定)は、JR市ヶ谷駅から徒歩4分という立地でありながら、明治時代から続く閑静な住宅街の一角に建設される予定だ。

会社役員、医師、弁護士の住むイメージを構築

ブランズ四番町では、周囲を高さ2メートルの塀で囲み、ゲートからエントランスまで長めのアプローチを取ることで、武家屋敷の様式を取り入れたという。既存の樹木を保存しながら、皇居や靖国神社など周辺の大規模緑地と一体となった自然環境を整備する計画だ。また、41基の免震装置を設置するほか、専有部にも対応した非常用発電機や24時間の有人管理を導入し、安心安全ニーズの高まりにも対応している。

平均坪単価は460万円台を想定。モデルルームとして展示している3LDK(107.29平方メートル)の部屋は1億7000万円台を予定している。これまでに約2500件の問い合わせがあり、千代田区をはじめとした都心居住者で、会社役員や、医師、弁護士などがその大部分を占めるという。

東急不動産は住宅分譲の成長戦略として、早期に巡航速度でマンション計上戸数を3600戸(単体ベース)まで引き上げる方針を打ち出している(前12年3月期実績は2426戸)。この計画の達成は、これまで紆余曲折が続いてきた同社のブランド戦略が軌道に乗るか否かに左右されよう。

そうした意味で、ブランズ四番町の成否は、マンション1棟が売れるかどうか以上の意味を持っている。

猪澤 顕明 東洋経済 記者

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いざわ たかあき / Takaaki Izawa

1979年生まれ。慶應義塾大学卒業後、民放テレビ局の記者を経て、2006年に東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、ニュース編集部などに在籍。2017年に国内のFinTechベンチャーへ移り、経済系Webメディアの編集長として月間PVを就任1年で当初の7倍超に伸ばす。2020年に東洋経済へ復帰、「会社四季報オンライン」編集長に就任。2024年から「東洋経済オンライン」の有料会員ページを担当。

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