韓国の強さは本物か 国民の不満は爆発寸前
ウォン安是正進んでも サムスン株は崩れない
07年ごろから進行したウォン安は、08年のリーマンショックで加速。韓国企業の輸出攻勢に拍車をかけた。この数カ月、為替は修正局面に入っており、現代自動車、ポスコなど輸出銘柄の株価は下降線を描いている。
ところが、サムスン電子の株価は崩れない。なぜか。
香港へ出張中の、丸山俊・BNPパリバ証券ストラテジストが解説する。「アジアの機関投資家は、円安・ウォン高の流れを受けて韓国株から日本株に乗り換えている。だが、こと電機セクターに関しては乗り換え先がない」。日韓の主要企業の時価総額(下図)にあるように、サムスン電子の時価総額は、パナソニックやソニーとはまさにケタ違い。サムスンから乗り換える投資家の受け皿は見当たらないのだ。
サムスンを筆頭とする韓国企業の躍進ぶりに、日本の素材・部品メーカーも発想を切り替えている。もはや海外市場にしか成長のチャンスはないが、日本のセットメーカーだけを当てにしていては限界がある。
「韓国企業は商慣習が似ているし、何より距離的に近い。手を組めば、東アジアから世界を攻めるという絵が描ける」(化学品メーカー幹部)。新興国開拓に長けた韓国企業と組むことで新市場が開けるというメリットもある。日韓の企業は競争相手であると同時にパートナーなのだ。
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