日産「セレナ」がステップワゴンに勝つ理由 「ママ」が認める発売6年目の箱型ミニバン

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2012年にマイナーチェンジのタイミングでS-HYBRIDシステムが搭載車もデビュー

現行セレナは、2012年8月に「S-HYBRID」というシステムを採用している。これはECOモーターのエネルギー回生発電量と出力を高めて補助原動機化し、サブバッテリーをエンジンルーム内に追加した簡易型のハイブリッドシステムで、トヨタやホンダほど本格的ではない。

「ハイブリッド」がポイントに

それでも「ハイブリッド」と打ち出したのはうまい販売手法といえる。エンブレムにHYBRIDと入るのは、今のユーザーにとっては勲章のようなもの。いまだにハイブリッド車を設定していないステップワゴンが苦戦しているのと裏返しだ。

ハイブリッドが未設定のステップワゴンは今年5月にHONDA SENSINGがほとんどの車種に標準装備された(撮影:梅谷 秀司)

最新トレンドの装備を充実させてハード面での見劣りを最小限に抑えながら、定期的に買い得感の高い特別仕様車を設定しているのも、販促効果を高めているようだ。モデル末期ということもあってセレナの値引きはライバルよりも大きいことは、販売現場でよくいわれる話だ。

それでも安全装備も充実しているため、末期モデルならではのたたき売り状態というイメージがそれほど強くない。終了期間は定かではないが、本稿執筆時点ではセレナに1.9%の特別低金利の残価設定ローンも設定されており、予算面での魅力は同クラスでもっとも高いといえよう。

5ナンバー箱型ミニバンを好むユーザーは、現役子育て世代がメイン。教育費や食費などの家計負担が重く、育ち盛りの子どもを抱えているケースが少なくない。その購入を決めるイニシアチブは母親=ママが握っているケースがほとんどだ。買い物や子どもの習い事の送迎、ママ友ランチなどに使うからママがお気に入りのクルマとなることが多いのだ。流行りのハイブリッドで安全性能も高いというニーズにセレナは応えているといえる。

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