日産のEV「リーフ」が売れないワケ テコ入れに躍起
ガソリンエンジンのコンパクトカーが満タン給油で走れる800キロメートル程度に引き上げるには、バッテリー性能の飛躍的な向上が必要だが、当面は実現不可能だ。
そのため、日産では独自に低価格の急速充電器を開発、日産販売店700店に配備するなど、充電インフラ整備に注力している。他の施設と合わせると現時点でも日本全国で1200カ所に急速充電器が普及しており、西沢正昭常務執行役員は「日本全国どこへでも行ける環境が整いつつある」と語る。さらに専門のチームを設け、高速道路のサービスエリアやコンビニなどへの充電器の普及を加速させているという。
また、カーナビを用いた支援機能も強化した。交通情報や勾配などからバッテリー消費量を計算、より山道や高速道路、渋滞を避けた消費電力が少ないルート案内をできるようにした。また充電スポットに関する情報も営業時間内と時間外が区別できるようにして、より安心して運転できるようにした。
割高感の払拭にも努める
価格についても「すでに燃費、維持費を考えれば6年乗ればガソリン車なみのコストになっているが、それでも当初の車両価格が与える印象は強いため、補助金控除後で250万円を切る価格を設定した」(西沢常務)と、EVの弱点でもある割高感の払拭にも努めた。
日産では、リーフの販売をテコ入れするため、志賀俊之・最高執行責任者(COO)をトップにした緊急販促体制を整えた。日米欧の地域部門に販売活動を任せるのではなく、最高意思決定機関の経営会議に各地域の情報を吸い上げ、最高機関から必要な支援を行えるようにした。
また、グローバルでマーケティング活動の情報を共有し、効率的な販売活動を世界的に展開させていくという。根本的な車両性能改善には時間が掛かるため、こまめな商品改善に加え、インフラ整備や営業活動の改善を通じて、リーフの販売を上向かせたい考えだ。
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