「フラガール」の常磐興産は被災企業支援の輪広がり営業益「復興」、次のテーマは「復配」

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今後のポイントは、ホテル施設が通期でフル稼働する来14年3月期に、震災後に立てた新中期経営計画(11年11月発表)で示した売上高472億円、営業利益20.6億円、日帰り客数135万人、宿泊客数36.5万人の目標を達成できるかどうか。客数では来期の目標を今期でほぼ前倒し達成できているため、売上高と営業利益の来期目標も十分クリアすることは可能だと東洋経済では見ている。

業績面での「復興」が見えてきたら、いよいよ次のテーマは「復配」ということになる。

常磐興産は、新中期経営計画の遂行に必要な復興復旧資金100億円を確保するため、銀行から70億円を調達するとともに、優先株式(B種)30億円を昨年12月に発行。同社は震災前の08年9月にも優先株式(A種)7億円を発行しており、優先株の発行価額総額では37億円に上る。

優先配当金の額はA種、B種とも優先株式1株当たり払込金額の年率6%相当額とされているため、37億円に対する優先配当金は年額2億2000万円強。つまり、常磐興産が普通株式の株主に対して復配するには、まずは優先株の株主に対して優先配当金を出したうえで、なおかつ配当原資を確保できる状況まで業績を回復させる必要がある。

今13年3月期は、福島県などからの復興関連の補助金が特別利益として計12億円計上されるため、1株当たり純利益も20円弱程度まで膨らむが、特別利益を除くベースでの1株当たり純利益ではせいぜい5~7円程度。そこから優先配当金(普通株1株当たりに直すと2.8円前後)を引き、残りの額から普通配当を行うというのはまだ窮屈だ。

来14年3月期に新中期経営計画をクリアするメドを立てられるかどうかが、まずは復配の可能性につながりそうだ。

(大滝 俊一 =東洋経済オンライン)

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