動き出した新生ナルミヤ、堕ちた“子供服王者”の再興なるか

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 「2年で会社を変える。これから四つの問題点を改善していこう」  

4つの病巣を大手術 新しい顧客獲得に手応え

就任早々、岩本社長は全社員にこう切り出した。四つとは「百貨店販路偏重」「高すぎる価格」「漫画キャラクターに依存したブランド」「店舗過多」。一方で、こうも話した。

「百貨店はブランド戦略上重要で、今後も販路の主体。しかし過度な依存は避け、SCなど新販路も開拓する。そのうえで、全社的に高コスト体質を是正する」

今年に入ると、“再生請負人”は矢継ぎ早に打開策を繰り出した。

2月、百貨店テコ入れ策の第1弾が、新ブランド「アナ スイ・ミニ」の投入だ。もともと「アナ スイ」は、米国から日本上陸した1997年に爆発的ヒットを放った20歳前後対象のブランド。「ミニ」は、当時大ファンだった女性に「母から目線」(岩本社長)で子供服を購入してもらおうという作戦だ。紫色を基調に良質な素材やデザインをウリとしており、キャラクター偏重イメージの修正という狙いが込められている。

「ミニ」の単価は決して安くない。が、導入以来販売は好調。しかも、購入顧客を分析すると、今までナルミヤを利用したことのない新顧客が約7割に上った。同社の従来型のキャラクターブランドを熱烈に支持してくれた母親たちは今や40代。その子供たちが成長し、多くは同社ブランドを卒業。新たなターゲットはアラサー(30歳前後)女性だ。

「30代は上の世代よりも服をセレクトして購入するのがうまい」と岩本社長。こうしたアラサー・ママを取り込みきれなかったのが不振の理由の一つ、と仮説を立てたが、これで光明が見えてきた。伊勢丹新宿本店でスタートした「ミニ」はすでに10店舗。最終的にはブランド価値が保てる20店まで拡大する方針だ。

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