「女性専用車両」、関東と関西でまったく違う 出張の時に間違えたこと、ありませんか

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「目の不自由な男性、車いす利用の男性のみ単独乗車を可とし、他の障害を有する男性については女性同伴の場合のみ乗車を可とする」という対応を取っているのが、神戸電鉄、神戸市交通局、北神急行の3事業者だ。

「目の不自由な男性のみ単独乗車を可とし、他の障害を有する男性については女性同伴の場合のみ乗車を可とする」という対応なのが阪急、阪神の2事業者。「身体に障害を有する男性について、女性同伴の場合のみ乗車を可とする」という対応が近鉄、南海、泉北高速の3事業者、という結果となった。

ここで気になるのは、JR西日本、京阪、大阪市、北急の4事業者を除いて、介添え者が男性の場合は乗車不可となっている点だ。男性介添え者が痴漢をする可能性を心配しているのだろうか。

視覚障害者には大きな負担

関西でも、小学生男子や目の不自由な男性など一定の要件に当てはまる男性は、女性専用車両への乗車が可能となっている。問題は、それが周知徹底されているかだ。

関東では京浜急行のみ、男性も女性専用車両に乗車できるという表示がホームや車両になされていない。関西では、JR西日本、近鉄、南海、泉北高速、阪神、神戸電鉄の6社が明示していない。残りの事業者は、明示こそしているものの別の問題があった。

日本語のほかに英語でも表記している会社は、関東では10社あったが、関西は皆無だった。また、車内アナウンスで男性が女性専用車両に乗車できることを案内しているかという点についても「関東の多くの事業者は放送を行っていることを確認できたが、近畿の全12事業者では確認できなかった」という。

近畿管区行政評価局がこうした調査を行ったのは、「視覚障害を有する男性が1人で電車に乗る場合、エレベーター等から女性専用車両の乗車位置に誘導されてしまうことが多く、大きな負担となっている」との相談が寄せられたのがきっかけだという。

確かに、点字ブロックを頼りに乗車位置にたどり着いたら、目の前に来た列車は女性専用車両で、乗ったら周囲の女性に注意されるというのでは、踏んだり蹴ったりである。

改札口や障害者用エレベーターから点字ブロックで誘導される乗車位置を確認したところ、女性専用車両の乗車位置となっていたのは、関東で3駅、関西では30駅もあった。エレベーターはホームの中央付近に設置されていることが多いので、中央に女性専用車両が多い関西では予想された結果といえる。

女性専用車両に法的な根拠はなく、鉄道事業者が任意で導入しているというのが国土交通省の見解だ。ただ、こういう事態の解決こそ、お役所の出番ではないだろうか。今回の調査結果を踏まえて、現状より適切な対応方法が導き出されることを期待したい。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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