政治の精神 佐々木毅著
自民党政治は高度経済成長と冷戦という二つの基盤がなくなった後、徐々に無力感に侵食されてきた。小泉政治はこの無力感の裏返しとでもいうべき「ぶっ壊し」の試みであり、実際はさらにその無力感を深刻化させたのではないか。
相次ぐ首相の退陣劇は個々のリーダーの資質に原因があるように見えて、実は自民党政権の空洞化、無力感の結果ではなかったのか。官僚の積極的な関与によって支えられた壮大な党システムを、政策中心の自発組織に鍛え直すことがまず必要である。
日本の政治を知的にかみ砕こうとするならば、「政党政治の精神」を踏まえた議論が欠かせないとする、政治学の大御所による大統領制を念頭に置いた「自己改革論」。
岩波新書 819円
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