アップルショック直撃、部品メーカー総崩れ iPhoneの減速だけではなかった
2015年4~12月期、前年同期比倍増となる3870億円の営業利益をたたき出し、絶好調に見えるソニーにも、アップル減産の影響は色濃く出ている。成長の柱と位置づける、イメージセンサーを含むデバイス事業の拡大に、急ブレーキがかかったのだ。
ソニーは同事業の通期営業利益予想を1210億円から390億円へ大幅に引き下げた。決算会見で吉田憲一郎CFOは「現在の状況を、たいへん重く受け止めている」と深刻な面持ちだった。
日本の部品メーカーがアップルの動向に悩まされるのは今に始まった話ではない。2013年も同様に、「iPhone 5」の出荷が伸び悩み、部品各社は減産を強いられた。
アップルだけではなかったが…
アップルに限らず、スマホ業界は幾度ものショックに見舞われてきた。2000年代後半から2010年代前半にかけてフィンランドのノキアが、2014年からは韓国のサムスン電子が、それぞれ不振に陥っている。
「アップルの在庫調整は一時的であり、今年は大型アップデートの『iPhone 7』も出る。このまま落ち込む心配はしていない」といった声も聞かれる。しかし今回、多くのメーカーが危機感を募らせるのは、アップルの浮き沈みの問題ではなく、スマホ市場そのものの成長が鈍化しているためだ。
これまでは不振のメーカーがあっても、それを補うメーカーが現れた。そのため、スマホ市場の成長は止まることなく、続いてきた。だが、今回はアップルやサムスンをはじめ、メインプレーヤーが軒並み不調に陥っている。
創業わずか4年で世界シェア3位に躍り出た中国の小米(シャオミ)科技も例外ではない。2014年度に前年度比3倍の6112万台を売り上げたが、2015年度は7000万台程度に終わったとみられている。
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