トヨタ復活の切り札、新型プリウスの突破力
発売前から話題を呼んだトヨタ自動車の新型「プリウス」が5月18日、全国デビューした。ハイブリッド専用車で燃費は1リットル当たり38キロメートルと世界最高水準。最低価格は205万円という安さだ。2月に発売されたホンダ「インサイト」の出足が好調だったせいもあり、トヨタ巻き返しの切り札として注目を集めている。
「今年の新プリウスの世界販売目標は30万から40万台。ハイブリッド車全体で50万から60万台」(豊田章男副社長)。旧プリウスも2008年世界中ですでに28・6万台が売れており、トヨタ車では数少ない前年比増だった。
プリウスの国内での月販目標は1万台だが、受注はすでに8万台。今予約しても納車は4カ月後という人気ぶりだ。インサイトは早くも4月の新車販売ランキング(軽除く)でハイブリッド車初の首位を獲得した。6月にはプリウスとインサイトで、1、2位を独占する公算も高い。
仮にプリウスが世界で40万台販売され、うち国内分を4割とすれば、ざっと16万台。1月からの旧プリウスの2万台弱を加えれば、18万台程度になる。08年に日本で最も売れた登録車はホンダ「フィット」で17.5万台。年間でも09年はプリウスが首位に立つ可能性が出てきた。
コストと価格の両面作戦
プリウスは当初想定された価格が240万~250万円だったため、採算を疑問視する声も聞かれた。が、部品の共通化などを進め、製造コストを3割削減。量産効果が出れば粗利は確保できそうだ。
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