トヨタ復活の切り札、新型プリウスの突破力

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消費者の目を引き付けた「205万円」という価格だが、これは最低価格のLグレードのみで、同グレードはオーディオやカーナビも標準装備されない。これらを付ければ、20万~30万円が上乗せされ、計算高くしたたかなトヨタの顔がそこにはある。

トヨタは”インサイト潰し”にも余念がない。旧プリウスのボディを3色に限るなど徹底的にコストを削ぎ、インサイトと同じ189万円で改めて売り出す。法人向けと謳いながらも、「個人向けでも全く問題ない」(愛知トヨタ自動車幹部)という声が聞こえ、販売現場では手控える様子はさらさらないようだ。

政府による追加経済政策で、環境対応車には重量税などの減免のほか、廃車買い替えに伴う補助金も支給される見通し。プリウスの場合、減税と補助金とで40万円以上購入負担が減る。こうした追い風もあり、ハイブリッド車が乗用車全体に占める割合は、今年中にも1割を超えるとみられる。プリウスが快走すれば、本格的なハイブリッド車時代の到来となりそうだ。

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(撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済)

大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。相続や年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。

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