“売れない”かんぽの宿、オリックス一括売却への難癖で、ますます隘路《不動産危機》

ただし、不動産市況の悪化により、売却は徐々に厳しい局面を迎えつつある。1月は14件の入札をして5件が不成立(応募者ゼロ)となった。07年度には94・2%を誇った落札率も、08年度には90%を切ることになりそうだ。東京厚生年金会館、目黒区の「こまばエミナース」のような一等地の高額物件も残されており、来年9月の期限までにすべてがスムーズに売れるかどうかは不透明だ。秋田厚生年金休暇センターのように4回連続で不成立になったような不人気の施設がある点も頭が痛い。

さらに難しいのが、昨年10月に国から現物出資により追加移管された63の社会保険病院、厚生年金病院の売却。病院については1円でも高く売って年金資金等の損失を最小限に抑えるという目標に加え、地域の医療体制を損なわない、という難しい目標も加わるだけに、売却作業は容易ではない。

RFOはこれまでに実績として647億円の売却益を上げている。そのため、不動産市況が悪化する中でも簿価割れで売却を進めていく余裕はあるのかもしれない。しかし投げ売りをすれば、周辺の不動産価格下落など悪影響も懸念される。今の経済環境下では、売却期限の延長などスケジュールの見直しが現実的な対応といえるだろう。


(週刊東洋経済)
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