日産ゴーン会長が株主総会で交わした「約束」 ルノーとの「経営統合」問題に出席株主も注目
日産自動車が6月26日に横浜市内で開いた株主総会は大盛況だった。出席株主は過去最多の4188人。昨年の2250人からほぼ倍増した。日産は出席者数の急増に対応するため、第2会場まで用意した。仏ルノーとの経営統合問題への関心が高いことや、株主数が前期末比1.5倍の45万7000人に急増したことが背景にあるとみられる。
「日産自動車の会長として、今後も必ず日産の業績向上と株主の利益を守る行動をとることを約束する」
議長を務めたカルロス・ゴーン会長は、日産・仏ルノー・三菱自動車によって構成される3社連合の関係見直しについて、「手段は複数考えられる」とした上で、日産株主の利益を守ると明言した。
提携関係をどう見直すかは今後の議論
3社連合を巡っては、ルノーの筆頭株主である仏政府がルノーと日産の経営統合を求めているとされる。ゴーン氏は兼務するルノーCEOの任期が切れる2022年までに資本構成見直しも含めて体制変更を検討することを今年4月に表明。日産の将来を左右するテーマだけに、ゴーン会長の発言に注目が集まった。
この問題で、日産側は日産、ルノー双方の独立性を維持したままでの関係見直しを望んでいる。ただ、日産の筆頭株主は43%を保有するルノーであり、その意向に大きく左右される。ゴーン氏は日産会長として日産の株主利益を優先する姿勢を示したとはいえ、仏政府の影響を大きく受けうるルノーの取締役会が将来どのように動くかは未知数だ。
日産の西川廣人社長兼CEOは「それぞれの会社の独立性と自立性を堅持し、対等なパートナーとして協力していく」と述べ、合併など会社の独立を脅かすような体制変更は受け入れられないとの姿勢を暗に示した。しかし、抽選で選ばれた株主7人との質疑応答では提携関係見直しに関連する質問がなかったこともあり、ゴーン会長が合併を明確に否定するような発言の機会はなかった。
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