焦土からの再生 井上亮著

焦土からの再生 井上亮著

第2次大戦で焼け野原となった仙台、東京、名古屋、広島は、どのような構想と経緯で戦後復興を果たしたのか。住む家もなく食べるに事欠く混乱した世に、都市計画など空論にすぎないという空気が支配的な中、旧内務省の技官や自治体の建設担当者たちはまさに真っ白なキャンバスに向かうがごとく100メートル道路や緑の大公園を構想し、区画整理に取り組む。しかし多くはあまりに壮大すぎる計画による財政難や住民の利害などから挫折し、縮小を余儀なくされた。

本書は膨大な資料を掘り起こす中で担当者たちの志と苦闘ぶりを生き生きと描いて往時をよみがえらせ、四つの都市の現在の個性を特徴づけるとともに戦後復興を現代的に評価することに成功している。官僚たちの常識を超える言動が読む者に感銘を与える一方、現実的で抵抗勢力となった人々が単純に批判の対象とならない点も好感が持てる。著者の強い思いが説得力を持たせた良書である。(純)

新潮社 1890円

  

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