「教師にも生徒と共に学んでほしいので、外部人材を講師に迎えた教員研修も実施しています。また、次世代を担う高度な人材の育成を目指していますので、情報処理の有資格者や企業研究者を特別免許で採用するなど、理系教育のニーズに応える教員確保にも注力しており、今後は理学部や工学部の学生にも教職の魅力を発信していきたいと考えています」
「働き方改革」や「福利厚生」にも注力
これら一連の改革の先に、茨城県はどのような教員を求めているのか。庄司氏は次のように話す。
「個々の子どもに寄り添える方、自ら学び続けられる方、多様化する児童生徒や保護者のニーズに柔軟に対応できる方を求めています。また、教育者としての高いコンプライアンス意識を持ち、ほかの教員と協働できることも、これからの教員に求められる重要な資質です」
そのような優秀な人材に「選ばれる自治体」となるため、教員の働き方改革にも本腰を入れている。部活動の地域展開を全国に先駆けて進め、業務のデジタル化も推進したことで、24年度の教職員の時間外在校等時間は月平均で23年度と比べ全校種で減少した。
福利厚生面では、自分の残りの有給休暇や制度内容について教員向けのポータルサイトで確認できる仕組みも整えた。24年度から県のすべての男性職員を対象に拡充された合計40日間の有給による「育児目的の特別休暇」も、該当教員には取得を促進しているという。
また、保護者対応で困難が生じた際にスクールロイヤーに相談できる体制や、教員からの相談をメールや電話等で受け付ける窓口を設置するなど、教員を孤立させないサポート体制の構築にも力を入れる。
採用の門戸を広げ、臨時的任用という不安定な雇用を解消し、現場を支える体制を整える。この茨城県の決断の根底にあるのは、教員が安定して教育に打ち込める環境こそが、子どもたちの成長を支える最大の基盤であるという確信だ。1600人の正規化という壮大なプロジェクトが完了する32年度、茨城県の教育現場ではどのような化学反応が起きているのか。その挑戦の行方は、日本の公教育の未来を占う試金石となるだろう。
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