SVFはなぜ「AI巨額投資」を正当化できるのか?稀代のリスクテイカー、孫正義氏に規律をもたらすCFOが明かす意思決定の深層
事業会社の視点を持ち込むことに注力した
――まず日本の読者に向けて、自身のバックグラウンドと現在の役割について教えてください。ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)にはいつジョインし、現在どのような職責を担っているのでしょうか?
私がSVFの運営を担うグループ子会社、ソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズ(SBIA)に参画したのは2016年初頭だ。当時はまだビジョン・ファンドが立ち上がる前で、SBIA自体が「スタートアップ」のような状態だった。実際、私は社内で最初の財務担当社員であり、文字通りゼロから財務部門を構築するところからスタートした。
現在は、SBIAのエグゼクティブ・マネージング・パートナー兼CFOを務めている。投資委員会のメンバーとして、SBG孫正義会長をはじめとする経営陣とともに、最終的な投資判断を下す役割も担っている。
従来のファンドCFOの多くは監査法人の出身だが、私はエンジニアリングのバックグラウンドを持ち、ハイテク企業や製薬企業などの事業会社で現場の事業支援(リソース配分やR&D管理など)を長年経験してきた。
そのため、入社後にまず注力したのは、単なる投資家向けレポートの作成ではなく、事業会社の視点を持ち込むことだった。具体的には、約500社を超えるポートフォリオ企業全体のデータを可視化し、投資チームにインサイトを提供するための独自データプラットフォーム「FinSight」を自社開発した。投資先のCFOに伴走し、彼らがIPOに向けて成長するための支援を行うことも、私の重要な職責の一つだ。




















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