公的資金の返済は進展大 欧州でアセットの買収も--チャーティスCEO ピーター・ハンコック

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──新興国への戦略は。

新興国は大きな機会を得られる市場だ。チャーティスは世界90カ国近くで事業展開しているが、その多くの国で50年以上の歴史を有している。グローバルにサービスを展開していくことがわれわれの戦略の柱だ。単にBRICsだけに依存していく戦略ではない。

中国、ベトナム、インドネシア、南アフリカ、インド、トルコ、ブラジル、メキシコ、コロンビアなどの国を視野に入れている。こうした国々でインフラ建設のニーズが発生し、保険の需要が拡大すると考えている。中産階級の勃興とともに、個人向けの保険のニーズも立ち上がってくるだろう。

──日本市場をどう見ますか。

日本の保険市場には需要拡大、成長の余地があると思う。イノベーションによって新しい商品を開発し、人口動態の変化に対応できると考えている。アメリカンホーム保険では新しいタイプのがん保険を、富士生命保険では新しい介護保険を発売している。こうした商品は従来から市場にある商品とは異なるものだ。

もう一つ重視しているのが、お客様中心のビジネスモデル。お客様とのコミュニケーションを多様なチャネルを用いて密接に展開していきたい。たとえばSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)など新たなチャネルと、対面式、電話などの伝統的な販売チャネルをうまく統合し、シームレスなコミュニケーションを提供していく。

また、日本の大企業、中小企業とも成長を目指した海外展開を模索している。チャーティスは、企業保険の分野でグローバルネットワークを提供し、日本企業の海外進出を手助けしていきたい。この点が日本市場でのチャーティスの大きな強みと認識している。

(聞き手:石川正樹 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2012年6月16日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

Peter D.Hancock
1958年英国生まれ、香港育ち。米英両国で市民権を持つ。オックスフォード大学卒業後、JPモルガンの英国拠点に入社、金融デリバティブ取引に精通。2000年退社後に地方銀行、コンサルティング会社などを経て10年AIG入社、11年より現職。
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