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【会社清算へ】粉飾決算のAIベンチャーオルツ、経営陣は逮捕、監査法人は処分の一方、「動かなかった」監査役の責任は?

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不正会計が行われていた時期のオルツには、常勤監査役が1人、社外取締役の監査役が2人いた。オルツの粉飾疑惑を調べた第三者委員会の調査報告書は、3人とも、不正案件について「個別具体的な取引やスキーム等の策定や意思決定に関与しておらず、本件疑義の対象となった取引等への関わりを裏付けるような事実や証拠は特段認められない」と結論付けている。

また、調査報告書には、22年8月の取締役会で当時、監査に当たっていた大手監査法人(22年10月に監査契約を合意解約)から「循環取引の疑義」について指摘があった旨を聞かされた、と記されている。しかし、会社側および後任の監査法人シドーからの説明を受けて、「疑義は解消済み」と認識していた、とする。

調査報告書では、監査役らについて「牽制機能を発揮することのできるチャンスが皆無であったとまではいえない」と、一見厳しい姿勢を示しつつも、個別の責任について触れていない。

本来は強い権限を持つ監査役

株主総会で選任される監査役の主な職務は業務監査と会計監査だ。前者は取締役の業務や法令などに違反していないかを、後者は監査法人が適正に監査を行っているかを監査する。日本では「閑散役」と揶揄されてきたが、監査役は本来、事業報告や財産調査を求めたり、違法が疑われる行為があった場合、その行為の差し止めを求めることができるなど、非常に強い権限を持っており、いわば企業の法令順守の要である。

そんな監査役が、不正の疑義を聞かされながら、会社側の(虚偽だった)説明にあっさり納得してしまった。騙されただけで、見抜けなかったのは仕方ないで済ませていいのだろうか――。

オルツの監査役の中でも、とりわけ責任が重いのが21年3月から常勤監査役を務めていた中野誠二氏だ。

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