「かなり良い」「先生も生徒も大変そう」と賛否両論…高校の「数学」で学ぶ内容を再編へ、次の学習指導要領でどう変わる?

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「数学ガイダンス」は、数学という学問の全体像や社会・職業との関わりを学ぶもの。「社会を読み解く数学」は行列やベクトル、統計、確率など、AIやデータサイエンスに関わる内容を抽出し、日常生活とつなげて理解する内容だ。

国際的な学力調査(PISA)で、日本の15歳の数学的リテラシーはトップクラスを維持しているものの、数学が苦手、嫌いという子も多い。実際、理工系に進む生徒も少ないため(学部生のうち理工系は17%)、数学を学ぶ意義を実感できる科目を設置しようというわけだ。

また日常の事象を数学的にモデル化する学習や探究学習の充実なども検討している。

「例えば、新型コロナウイルスの感染シミュレーションをするなら、データを集めて仮説を立て、抽象化して簡単な式で捉えてみます。そのためには数理モデル化する訓練が必要で、そうなるとやはり数学A・B・Cの枠組みを組み替える必要があります。

従来の受験のような答えがあるものを時間内に解いて採点し、順位を付けて資質を測る仕組みが通用しなくなってきています。インターネットやAIが出てきて、知識を知っていること自体にそこまでの価値はなくなっているからです。

ただ知っているだけではなく『深く理解している』『自分なりの見解がある』『情報の取捨選択ができる』といった知をどう活用するかが重要になってきています」(中島氏、以下同じ)

答えのあるものを学ぶ数学と「探究的な学び」

現行の学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」の実現が掲げられていて「探究学習」が重視されている。次の学習指導要領でも、質の高い探究的な学びの実現が掲げられているが、課題も多い。

とくに数学は答えのあるものを学ぶ、先生側も答えがあるものを効率よく教えることに慣れていて、探究的な学びが進んでいるとは言い難い状況と聞く。

「生徒や先生にとって簡単でわかりやすい探究の“視点”ををまとめた『問い集』や『事例集』が必要です。教員研修のあり方も変わらなければなりません。答えが1つではない問いを試行錯誤する面白さや苦しさを先生自身が体験したことがないとサポートの仕方も見えてこないからです。

また1つの分野では解けない問題が他分野の知恵で解けるなど『STEAM』が重要になっています。横断的で創造的な学びが求められる中、科目や学校種を超えた先生たちのコミュニティや先生の保健室的存在も必要だと考えています」

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