スペイン高速鉄道「脱線衝突事故」何が起きたのか 運転士組合は「最高速度引き下げ」要請していた

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インフラ側に問題があった可能性が高い、と多くの人が指摘するもう一つの理由が、最近のスペイン国内における高速鉄道の軌道状態の悪さだ。

今回の事故が発生して以降、SNS上にはスペインの高速鉄道を走行中の車内を撮影した動画が次々とアップされた。いずれも、高速走行中に激しく振動する車内の様子を捉えたもので、あまりの振動のひどさに安全上問題はないのか、と不安の声が上がった。

実際に、線路状態に関してはSNS上で都合よく切り取られた、誇張された話ではない。

スペインの列車運転士組合が2025年8月、鉄道インフラ局の「アディフ(Adif)」、および州鉄道安全局(AESF)に対し、安全上の問題があるとして高速鉄道の最高速度引き下げを要請していた事実がこのほど明らかになった。

スペイン高速鉄道事故 現場検証
スペインの高速鉄道列車衝突事故で現場検証を行う関係者ら(写真:Guardia Civil)

運転士組合「速度引き下げ」要請していた

請願書は、マドリード―セビリア間、マドリード―マラガ間、マドリード―バルセロナ間などの主要路線で、最高速度を現行の時速300kmから時速250kmへ引き下げるよう提案するものだった。

運転士組合側は、線路の保守が悪く、高速で走行した際に激しい振動や車体の跳ねが生じていると説明、乗り心地が悪く乗客を不快にさせるだけではなく、車体やインフラに悪影響を与え、安全性に大きな影響を及ぼす恐れがあると警告していた。

事故後、プエンテ大臣は、「スペイン国内の高速新線改修には7億ユーロが投じられており、事故当該区間もすでに改修は済んでいる」「現在も定期的かつ継続的にメンテナンスが行われている」と強調した。

ところがアディフは21日、マドリード―バルセロナ間の主要幹線のうち、約150kmの区間で最高速度を当分の間、時速300kmから時速160kmに引き下げることを発表した。線路状態が悪く、安全上の懸念からいかなる問題も予防する必要があるため、と説明した。

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