スペイン高速鉄道「脱線衝突事故」何が起きたのか 運転士組合は「最高速度引き下げ」要請していた
現場は丘陵地帯のためアクセスしにくい場所で、事故発生から数時間、現場から映し出される映像は脱線した「イリョ」のものばかりで、衝突したとされる「アルヴィア」の映像がほとんど公開されなかったため、情報が錯綜し安否が心配された。その後、築堤の下へ転落し大破した車体が、事故に遭遇し現場にいた人たちの手によってSNS上で公開されると、状況の深刻さが伝わっていった。

今回の事故で、最初に脱線したのは「イリョ」の109型車両だ。これは日立製作所の欧州子会社である日立レールが製造した車両で、イタリアでは「フレッチャロッサ・ミッレ(ETR400型)」として知られる車両の同型車だ。現在の営業最高速度は時速300kmで、時速350kmでの営業認可も取得している高性能車両だ。
一方、衝突したのはスペイン鉄道の「アルヴィア」120型で、同国のメーカーCAFが製造した。営業最高速度は時速250kmだが、線路幅の異なる高速鉄道(軌間1435mm)と在来線(軌間1668mm)との直通運転を行うために、日本では実用化が見送られた軌間可変装置を搭載している。2004年の製造開始以降、これまで大きなトラブルもなく営業運転を続けている。
車両は直前に検査済み
スペイン国内における高速鉄道の営業最高速度は時速300kmだが、事故が発生した区間は曲線が連続する区間のため時速250kmに制限されており、どちらの列車も時速210km以下で走行していたことが確認されている。
同国のオスカル・プエンテ運輸モビリティ大臣は記者会見で、当該区間は2025年5月に改修が行われており、インフラには問題がないはずだと説明。一方で脱線した「イリョ」についても、2022年に製造された新しい車両で、事故直前の1月15日に行われた最終検査にも合格しており、「この事故は非常に奇妙なことだ」と述べた。


















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