スペイン高速鉄道「脱線衝突事故」何が起きたのか 運転士組合は「最高速度引き下げ」要請していた

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事故原因について、まだ現段階で確定していることは何もない。実際、過去に発生した事故では車両の不具合が先か、線路の不具合が先かの最終調査結果に5年以上を費やした事例もあるため、今回の事故原因についても最終的な事故報告書が公表されるまでには長い期間を要する可能性もある。

スペイン高速鉄道事故 iryo 脱線車両
スペインの高速鉄道事故で脱線した「イリョ(iryo)」の車両。最後尾8号車(左奥)と7号車=2026年1月20日(写真:Carlos Alvarez/Getty Images)

しかし、現場検証の様子を撮影したいくつかの写真が、大きな波紋を呼んでいる。

脱線前から線路に異常?

現在、多くの専門家が注目しているのが、大きく破損した線路を撮影した写真だ。これは、マドリードへ向かっていた「イリョ」が走行していた線路で、当初脱線の原因と推察されていた渡り線(上下線をつなぐ分岐器)よりもさらに手前に位置している。

スペイン高速列車衝突事故 現場付近分岐器 破損
当初脱線の原因と推察されていた渡り線(上下線をつなぐ分岐=ポイント)。この場所よりも手前(奥の線路の右側)に線路の破損が見つかった(写真:Burak Akbulut/Anadolu via Getty Images)

つまり、分岐器が脱線の原因ではなく、その手前の段階ですでに車両が脱線していたことを示す重要な証拠となっている。

事故の当該列車である「イリョ」のほか、その前に通過した2本の列車のセンサーからも、この地点で衝撃を記録していることが明らかになっており、事故の前から線路に異常があった可能性が指摘されている。溶接不良により、冬場の寒暖差で線路が破断した可能性が高い、と専門家たちは指摘している。

一方で、現場から250m以上離れた小川で「イリョ」の8両目(最後尾車両)の台車が発見されており、これが何を意味するのかについてもさまざまな臆測が流れている。現場の状況から推察すれば、脱線して線路から逸脱した車両が対向列車の「アルヴィア」に衝突し、その衝撃で飛ばされたと考えるのが自然だ。鉄道車両の台車は大きく重いが、減速していたとはいえ相対速度は時速400kmに達しており、衝撃で台車がその距離を飛ばされることは十分に考えられる。

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