2026年の不動産トレンドワードは、遠・便・快の「こちくら郊外」。要因は「新築氷河期」、狭さ対策に「0LDK」も
このように、近年は、新築マンションは手が届きにくいものになっている。つまり、今の住宅市場は、ついに“就職氷河期”ならぬ、新築マンションが買えない『新築氷河期』に突入したといえる。
新築マンションが買えないなら、中古マンションを買えばよい、というわけにはいかない。中古マンションの価格も上昇しているからだ。LIFULL HOME'Sで2025年(1月~11月10日)に掲載した東京23区の中古マンション(30㎡未満を除き、70㎡に換算した額)の平均価格は1億429万円となり、やはり手が届きにくい状況になっているからだ。
ちなみに、東京23区の賃貸物件も見ておこう。LIFULL HOME'Sのデータで見ると、シングル向き、ファミリー向きともに、東京23区の掲載賃料が大きく上昇していた。反して、ユーザーが問い合わせた物件の平均賃料(反響賃料)はそれほど上昇しておらず、おおむね横ばいとなっている。掲載物件の賃料は上がっていても、ユーザーの予算賃料は上がっていないといった“需給ギャップ”が顕著というのが、東京23区ならではの状況だ。
2026年のトレンドワード「こちくら郊外」とは
住宅価格や賃料は、都心から離れる(郊外へ行く)ほど、住宅が小さい(面積を狭くする)ほど、築年が古いほど、安くなる傾向がある。価格を抑える選択肢が広がるのは、都心から郊外へと立地を移すことだ。ただし、郊外ならどこでもよいというわけではない。
LIFULL HOME'Sがトレンドワードとして挙げたのは、“心地よい暮らし”を得られる郊外=「こちくら郊外」だ。
もともと郊外という場所は、周辺に豊かな自然が残り、価格を抑えても住宅の広さを確保しやすいこともあって、子育てにも適した立地と言われてきた。ただし、都心への通勤時間がかかるという条件も付随する。夫婦ともに都心に勤務する共働き世帯であれば、通勤時間の長期化は厳しい条件となるだろう。
一方で、コロナ禍以降はテレワークが普及し、今では出社とテレワークを組み合わせる働き方を採用する企業も多い。また、JRや私鉄などで、グリーン席や有料特急席の導入が進み、通勤時に座れたり混雑を避けられたりといったことがしやすい環境になった。
こうしたことから、遠いけれど、楽して通勤できる郊外の住宅への問い合せ件数が増加(*)しているというのが、LIFULL HOME'Sの分析だ。
*2024年(1~12月)と2025年(1~11月)比較した増加率
LIFULL HOME'Sが挙げた具体的な事例を見ていこう。購入物件で問い合せ件数が伸びたのが、東京都下エリアの「河辺」「西武立川」「北野」だ。70㎡換算の相場価格を見ると、23区と比べてかなり安い価格となる。気になる通勤時間は長くなるものの、座ってパソコン作業をするなど有効に使えることがポイントだろう。


















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