迷いや葛藤を経て…出会いは見合い。トランスジェンダーの男女が「恋愛」ではなく「入籍なき結婚」を決めた理由と2人が考える"未来"
まだまださまざまな障壁があるのだが、それでも今2人は1つ屋根の下に暮らしながら、幸せな日々を紡いでいる。
では、なぜ2人は「恋人」ではなく、「結婚」という道を選んだのか。
「よくいわれる言葉ですが、『恋人の視線は向き合っている。夫婦の視線は同じ方向を向いている』と。ここに来るまで、迷いや葛藤がなかったわけではありません。でも、自分が成長し、自立して、大切な人をきちんと大切にできると思えた。そのタイミングで本気でパートナーを探し、出会ったのが、つーさんでした」(るーさん)
「私も、恋愛と結婚は違うんだということを、るーくんに出会い、こうして結婚したことで、改めて実感しています」(つーさん)
賛成か反対か、ではない
電通の「LGBTQ+調査2023」によれば、性的マイノリティーの割合は9.7%。約10人に1人という数字だ。つまり、LGBTQ+は決して特別な存在ではなく、私たちのすぐ隣で、ごく当たり前の日常を生きている人たちだということを、示している。
世界では同性婚を認める国が増え続ける一方、日本では価値観の違いから慎重な声も根強い。だが、2人の選択は、賛成か反対かという議論の外側に、静かに存在している。
特別な主張をするわけでもない。同じ方向を見つめ、日々をともに生きていく。その覚悟を「結婚」という形で2人は選び取ったのだ。
向き合う視線から、並んで歩く視線へ。
2人の穏やかなまなざしは、結婚とは何か、家族とは何かを、言葉ではなく、生き方そのもので問いかけているのではないだろうか。
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