迷いや葛藤を経て…出会いは見合い。トランスジェンダーの男女が「恋愛」ではなく「入籍なき結婚」を決めた理由と2人が考える"未来"

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「これまでお付き合いしてきたお相手は、どこか考え方が子どもっぽい人が多かったのですが、るーくんはいつも冷静で、大人の視点を持っていました。LGBTQ+を社会に伝える活動もしていたし、同じ課題に向き合いながら、協力し合える関係になれると思いました」(つーさん)

交際がスタートしてから約2カ月後の24年9月、デートで訪れた公園の観覧車の中で、るーさんがプロポーズ。つーさんは、笑顔でそれを受け入れた。

それから5カ月後、るーさんがつーさんの住む都内へ引っ越し、2人の生活が始まった。

親へのカミングアウト

ここで、2人がこれまで歩んできた道のりを振り返ってみよう。2人とも、自身のセクシャリティに違和感を覚えたのは、物心がついた2~3歳の頃だったという。

「当時は親にも言えませんでしたし、親が買ってきた“男の子の服”を着ていましたが、何かしっくりこなかった。高校か大学の頃、干してあった母のブラジャーを、こっそり身に着けたこともあります(笑)」(つーさん)

「僕はおたまじゃくしがカエルになっていくように、成長とともに男性器が生えてくるんじゃないかと思っていました。ところが、思春期に入ると男性器が生えるどころか、胸がどんどん大きくなっていって、それが本当に嫌でした」(るーさん)

学生時代、2人は制服にも違和感を抱き続けていた。大学進学を機に、それぞれが自分の意思で服装を選べるようになり、外見も少しずつ、自認する性に近づけていった。

では、家族に打ち明けたのはいつだったのか。

「父は、テレビにオネエタレントが出ると『気持ち悪い』と言う人でした。だから話すなら母だと思い、31歳のときに伝えました。最初は戸惑っていましたが、最終的には理解してくれて、父にも話してくれました」(つーさん)

「僕は家族との関係があまり良くなく、23歳のときに家出同然で実家を出ました。24歳頃、母に『こんな僕が嫌なら、もう二度と帰りません』と手紙を書いたところ、『どんなあなたでもいいから帰ってきて』と返事があったんです。半ば強引に受け入れてもらった形ですね(笑)」(るーさん)

現在の職場環境についても聞いてみた。

「上司には自分のことを伝えています。同僚には特別カミングアウトをしていませんが、周囲は私を女性として接してくれています。LGBTQ+に理解ある会社で、各階に多目的トイレも整備されているので、職場で不自由を感じることはありません」(つーさん)

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