迷いや葛藤を経て…出会いは見合い。トランスジェンダーの男女が「恋愛」ではなく「入籍なき結婚」を決めた理由と2人が考える"未来"

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「僕も入社時に上司には伝えました。コールセンターのオペレーターという仕事なので、基本は個人作業。昼食もそれぞれが自席で取るような環境なので、朝と帰りのあいさつは交わすけれど、交流がない。これまでセクシャリティのことで嫌な思いをしたことはありません」(るーさん)

現在住んでいる住居も、大家が2人の関係性を理解し、受け入れてくれている。こうした環境を見る限り、LGBTQ+への理解は少なくとも生活の現場では、確実に社会へ浸透しつつあるように映る。

レインボーカラーで彩られたウエディングケーキ(写真:筆者提供)

あえて入籍しないことを選ぶ

現時点で日本では、法的に同性婚は認められていない。

しかし、2人の場合は戸籍上の性別を変更していないため、法律上は「異性婚」となり、入籍することができる。それでも2人は、あえて入籍しないことを選択した。

「もし将来、どちらかが戸籍上の性別を変更することになった場合、その時には“未婚”であることが前提になります。今入籍してしまうと、一度離婚し、性別を変更し、改めて再婚するという手続きを踏まなければならないんです」(るーさん)

「そこで、私たちは入籍ではなく、『パートナーシップ制度』を申請しました」(つーさん)

パートナーシップ制度は、同性カップルやトランスジェンダーカップルに対し、婚姻に準ずる関係であることを自治体が証明する仕組みだ。これにより、公営住宅への入居や、医療機関で家族として扱われやすくなるなど、一定の社会的配慮を受けられるようになる。

しかし、パートナーシップ制度の内容は自治体ごとに異なるため、別の自治体へ引っ越した場合、証明の効力が失われる場合がある。

近年、自治体をまたいで移動したときでも新たに一から申請しなくてすむようにする仕組み(自治体間連携ネットワーク)が全国的に広がりつつあるが、まだ万全ではない。

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