公明党が盛り込んだ「集団的自衛権の歯止め」は機能せず。高市「台湾有事」発言の混乱は、安保法制の欠陥に原因あり
集団的自衛権は憲法の限度を超えていて許されないとの立場を鮮明にうたった72年見解は、同時に個別的自衛権にも縛りをかけている。日本が武力で攻撃された場合でも、「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態」のときに初めて容認されるという厳しい歯止めだ。
公明党は、それを逆手に取った。集団的自衛権を全面的に解禁することはできないが、「自国の防衛のため」なら、個別的自衛権の延長線上にある限定的な集団的自衛権を行使することは、かろうじて容認できる。連立を組む安倍首相の意向を酌みながらも、平和の党としての矜持を示した、いわば首の皮一枚でつないだ苦肉の策ではある。
集団的自衛権に突き進む自民党に、どうすればくさびを打ち込むことができるのか。それには72年見解にある「根底からくつがえされる」をぜひとも盛り込ませなければならなかった。



















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