全区間一律50円、小田急電鉄「子育て支援」の実情 ロマンスカーにも「応援車」、利用客の反応は?

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――子育て応援車の運行開始以降、利用者の反応や意見は?

当社の子育て応援車には通勤車両と特急車両(ロマンスカー)があり、通勤車両の子育て応援車のご意見では、「小田急の子育て応援車の取り組みは、子育て世代の気持ちをよく理解していると感じている」「今後も継続して取り組んでほしい」「乳児と列車に乗車する際、小田急の子育て応援車のおかげで、外出する機会が増えたことに感謝している」などがあります。

ロマンスカー子育て応援車の意見では、「出かける機会が増えた」「子どもが多少騒いでも気兼ねなく利用できる」といった声が多いです。国内の利用者だけでなく、箱根などを訪れる訪日外国人の子連れファミリーにも、広く利用されています。

利用者からの声として特に印象的だったのが、「4月27日、子どもと一緒にはこね15号に乗車した際、隣同士の席が取れず不安を抱きながら乗車していたところ、巡回していた車掌が声を掛けてくれ、子育て応援車の空席を案内してくれたため安心して乗車することができた」「子どもと一緒に特急の子育て応援車に乗車した際、子ども連れが多く乗車していたため周囲に余計な気遣いをすることなく、安心して乗車することができた」などです。

通勤列車の反響がロマンスカーに波及

――どういった経緯で実施に至ったのか。社内で提案があった、または利用者から提案があったのか。

ベビーカーを抱えての乗降に苦労されたり、急にお子さまが泣き出してしまったりした際に、周囲に気兼ねなく安心して小田急線をご利用いただきたい。という当社の想いから、2022年3月に当社通勤車両の3号車に導入しました。

ロマンスカーの子育て応援車は、通勤車両での反響を踏まえ、ロマンスカーにおいても子育て応援車を導入すべきではないかという社内議論から検討が始まりました。さらに子育て応援を充実させるために、子育て応援車(3号車)を特急券発売時に選択購入することで、子育て中の利用者と一般の利用者、それぞれの空間を明確に分離することが可能となりました。

導入の意義としては、お子さまが騒ぐことなどで鉄道利用をためらっていたお客さまが、気兼ねなく旅行できるようになることや、子育てファミリーと、静かに過ごしたい一般のお客さまのそれぞれに、快適な環境を提供できることと考えております。

ロマンスカーの子育て応援車は、主に子連れの利用が多い時間帯に運用している。
運用時間帯 対象列車(平日・土休日共通)
■下り列車
新宿駅を11時00分から16時59分までに出発する列車
■上り列車
新宿駅に11時00分から17時59分までに到着する列車
なお、東京メトロ千代田線と直通運転する特急列車、およびJR御殿場線と直通する特急列車では全区間とも対象外としている。
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