ジャパンディスプレイ、下方修正体質に決別

好決算に影を落とす、シャープ再建の行方

鴻海はアップルからiPhoneの組み立て製造を受託しているが、基幹部品の液晶については内製化できておらず、前述からの3社から調達に頼っている。そのため、アップルへの供給実績を持つシャープの高精細液晶パネルの生産技術は、魅力的に映る。

本間会長が三洋電機時代に味わった敗北感

2015年夏ごろ、東洋経済の取材に応じる本間会長(撮影:大澤誠)

もし鴻海がシャープの技術を手に入れれば、多大な資金力を武器に、ジャパンディスプレイのシェアを奪いかねない。

今回の決算会見で、本間会長は「われわれは改革の途上だから、いま(シャープと)統合となると混乱を来す。

しかし、シャープが持っている生産技術が第三国に流れる方が脅威だ」と危機感を募らせる。

本間会長が、技術流出を警戒するのには理由がある。今でこそ、ジャパンディスプレイの会長兼CEOを務めるが、今年6月にトップに就任したばかり。以前は三洋電機の副社長を務めていた。

三洋電機に在職中、リチウムイオン電池で世界首位の座に導いたが、次第に価格で勝る海外メーカーに負け、技術も流出。三洋電機そのものがパナソニックの傘下入りしてしまったという苦い経験を持っている。

本間会長は、かつて東洋経済の取材に対して「日本は電化製品の“頭脳”である半導体で敗れ、“心臓”である電池もやられた。最後の“顔”である液晶は守らなければいけない」と語っている。

本間会長にとって、ジャパンディスプレイを立て直すということにとどまらず、シャープの液晶技術を守ることは、日本電気産業の失地回復という悲願でもある。

好調な業績に、影を投げかけるシャープの低迷。ジャパンディスプレイを、ひいては日本の液晶業界を守れるか。本間会長には重責がのしかかっている。

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