【中学受験】直前期、後悔しないための「令和の併願校選び」 《第一志望合格は少数派》 偏差値は幸福な学校生活を保証しない

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下記はあくまで一例であり、筆者の考えではありますが、入試問題の向こうには学校の意図があることは確実。

高難度の記述の問題が多いA校。細かくて単純な知識を問う問題は少ない。
→自分でしっかり考えること、論理性を重視。自分で考えられる子を求め、ひいては社会に貢献できる人を探している。
帰国子女枠が多く、英語教育に力を入れているB校。入試回数を2回に分け、募集人数は等分。
→高い英語力を武器に、早慶などの私立難関大学入試を見据えている。2回目の入試で、御三家などにあと一歩だった層を取り込み、学力水準の高い集団を形成したい。
◆難問・標準的難易度の問題のバランスがいい。奇抜な問題が少なく、努力が反映されやすい、いわば合格判定模試のようなつくりのC校。
→コツコツ努力できるタイプの子を探している。大学入試共通テストを想定して、進学校として「入試に向けて頑張れる子」を求めている。
◆大学附属で、4科目均等配点のD校。一般常識に関する問題も多く、理科や社会なども単純な暗記ではなく、独特の問題が出る。面接あり。
→10年間子どもを預かることを見据えて、広い分野に対して知的好奇心の高い子を求めている。バランスの良い、高い能力を持つ子を鍛えたい。

こうした視点で考えれば、入試形式にフィットしているということは、その学校の雰囲気や方針に一致する可能性が高いと言えるでしょう。

お子さんだけでこれを看破するのは難しいため、親御さんがぜひそのような視点で考えて、向いている学校を探してみましょう。

直前期こそ、情熱は持ちつつ「冷静」に

12月から1月は、子どもも親御さんも不安定になりやすい時期です。気持ちの揺れは自然なことであり、「どこの家庭もいっしょ」と構えておきましょう。実際、取材で伺うと、皆さん直前期は大いに迷い、悩むというのが実情でした。この時期に最終的に受験する学校を決めたという人も多数。

そんな最終局面で、親御さんがひとつ心掛けておくべきは、第一志望への過度な集中が招くリスクもある、ということ。

熱望校に向けてテンションを上げているときに、水を差すようで恐縮ですが、これは親御さんにしか舵取りができないので、知っておいてほしいと思います。

しばしば、第一志望への思いが強すぎると併願校の検討が薄くなり、結果的に出願戦略が不安定になります。

「チャレンジ校・実力校・安全校」のバランスが崩れると、本番のコンディションに左右されやすくなり、心の余裕も持ちにくくなりますから、情熱は持ちつつも、ぜひ第一志望以上に併願戦略についてしっかりと検討することをお勧めします。

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