【中学受験】直前期、後悔しないための「令和の併願校選び」 《第一志望合格は少数派》 偏差値は幸福な学校生活を保証しない

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1. より偏差値が高いほうに行くべきで、そうすれば子どもが幸せに過ごせると思ってしまう。
2. 「安全校」が1つあれば大丈夫だと考えてしまう。1月校(1月中に試験を行う学校)は家から遠すぎて通えないからと受験しなかった。
3. 第一志望に気持ちが集中し、併願校の情報収集が薄くなってしまった。

これらはすべて実際のエピソードですが、「入学後の6年間をどう過ごしたいか」というビジョンや、「第一志望以外の学校に進学した場合のシミュレーション」が抜けてしまうことで起きてしまったようです。

とはいえ、親御さんが中学受験というシステムのなかで必死であればあるほど、個人的には無理もないことだと感じます。そのくらい親子で本気になるのが中学受験。

「第一志望に合格するぞという気持ちが強いほど受かる」なんて塾の先生から励まされれば、その対策に集中するのは当たり前だと思います。ただ、忘れてはいけないのは、偏差値は学校生活での幸福度と相性を保証してくれるものではないということ。

第一志望校でさえも、そこに進学したからといって、最高の学生生活が保障されているわけではないのです。そのうえ、第一志望に合格する子は3割程度というシビアな現実がある――つまり受験した学校すべてに進学の可能性があるのです。

入学後の「理想と現実のギャップ」

取材のなかでも「入学後にこんなはずじゃなかった、と思うことがある」とたくさん耳にしました。

受験は塾や個別指導、家庭教師への重課金で乗り切ったけれど、入学してみると授業スピードについていけず、自信を失ってしまう子。校風が合わず、学校生活に疲れてしまう子。通学時間が90分を超え、疲れて体調管理が難しい子。

こういった事態を避けるためにはどうすればよかったのか? 率直に尋ねたとき、併願校を含めた受験校戦略に注力するべきだったという親御さんの言葉には重みがありました。

今現在、受験校の最終決定の局面にいる親御さんはぜひ、

・中学校生活は人生の通過点。将来どのような大人になってほしいか、そのためのルートだと考え、絶対的な正解はないと構える。

・第一志望以外の学校に進学する可能性のほうが高い。それぞれの学校生活のシミュレーションに時間をかけ、できるだけ親子で話し合う。

という2点を心のどこかに置いてほしいと思います。また、取材で多くの方と接して、意外に「根拠の薄い思い込み」で学校を選んでいるパターンもたくさんありました。

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