京王最大の駅を率いる新宿管区長の「意外な経歴」 中途入社後に配属の渋谷駅で"料理の腕"を発揮

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ともあれ、渋谷駅を皮切りに鉄道マン人生を歩みはじめた竹島さん。その後は井の頭線の乗務員を務め、2005年からは本社勤務が中心になった。はじめは営業部門で、高尾山の冬そばキャンペーンや夏のスタンプラリーなどを担当した。

その後、人事労務関係の部署を経て運転課へ。ATC(自動列車制御装置)への切り替えや調布駅付近の連続立体交差事業が行われた時期で、乗務員の訓練や新しい規則の整備などを行った。2015年には若葉台乗務区の副乗務区長を務め、2年後にはまた本社の運転課に戻る。ちょうど京王では初めてとなる座席指定列車「京王ライナー」がデビューする時期だ。

新宿駅の通路には夕方以降に京王八王子・橋本方面へ走る「京王ライナー」の案内も。発車間際になればほぼ満席になる(撮影:鼠入昌史)

「京王ライナー」デビューに携わる

「現場が井の頭線ばかりだった中で、新宿駅に思い入れがあるのがこのときなんです。運転課の担当として、ライナーの運用の中でお客さまへの案内をどうするかといった課題があって、結構新宿駅に通っていました」

夕方から夜にかけてのラッシュ時に運転される京王ライナー。いまではすっかり定着したが、当時は駅員もお客も”初めての経験”だった。

「ホームの足元にはサインがビッシリ貼ってあるじゃないですか。これ見てお客さまは本当にわかるのかな、とか考えていて」

フタを開ければ、すぐにお客はサインにも慣れ、京王ライナーも大成功。ダイヤ改正のたびに運転本数を増やし、いまでは1週間前に売り切れる列車もあるほどだ。

「新宿駅は始発駅ですから、待てば必ず座れるんですよね。だから京王ライナーには誰が乗るんだという声があったのも承知しています。小田急さんのロマンスカーと比べても距離が短いじゃないですか。そこに410円を出してくれるのかな、と……」

そんな心配も杞憂に終わり、いまや京王の看板列車にまで成長した。そして、新宿駅での混乱もほとんどなく、お客もすっかり京王ライナーに慣れ親しんでいる。

この記事の画像を見る(33枚)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事